2012年02月02日

ソウルトレインのドン・コーネリアスが亡くなった

昨日J・エドガーを観て少々暗い気持ちで帰ってきた。ホモの爺さん同士のぶつかり合いを延々と見せられたのだから仕方がないのだが、あのクリントイーストウッドに恨み節の一つも言いたくなっていたその夜、iPoneにニューヨークタイムスのニュースが飛び込んできた。ドン・コーネリアスの名前が読めた。緊急のニュースになるぐらいだからろくでもない事だと思った。そして、結果、ろくでもなかった。ロサンジェルスの自宅で頭をピストルでぶち抜かれたドンさんが発見された、という事だった。息子のトニ―の事を思った。どうなっているのだろうか。アメリカ人は自殺するのもド派手だ。Gunを持っているとこういう自殺もある。あのドン・コーネリアスが亡くなったのだ。




僕が高校生の頃、「soul train」という番組がおお流行りしていた。そのころグレープジャムという京都の祇園にあるディスコに通っていた僕はソウルミュージックの大ファンだった。それはこのソウルトレインという番組で、最新のR&Bのミュージシャンンが聴けたこととなんといってもオーディションで選ばれていたダンサー達の踊りの凄さに圧倒されていた時代だった。崖を上る男のシーンで始まるJUNのコマーシャルが始まると食い入るように番組を見ていたものだ。そういえばあの頃もマーヴィンゲイが鉄砲で撃たれて死んだというニュースを聞いたことがある。今の、ジャニーズやエクザイルやK-POPのスターたちの踊りも元をたどればこのソウルトレインの黒人の若者達の踊りが元になっているわけだ。そんなアメリカでのブラックカルチャーの洗礼を僕はこのテレビ番組から受けていたし、イギリスのロック小僧だった僕が初めてアメリカの音楽を意識することになったはじめだったように思う。




時は流れて2005年ごろ。僕はロサンジェルスでこのドン・コーネリアスさんとミーティングをしていた。あのソウルトレインの日本でのDVD化の権利をとるために渡米していた。ガキの頃のそんな思い出があるものだから、最初ドンさんと会ったときはさすがに緊張した。確か、濃紺のスーツにド派手な色のシャツをわざと着て、ネクタイをきっちり締めてソウルブラザーの雰囲気を意識しながらそのミーティングに参加したのを覚えている。大体ロサンジェルスでの打ち合わせはラフな格好が多いのに、全く珍しい事だった。ドンさんは僕らにとってはカリスマなのに、実に気さくな人だった。お互いの条件などで行き詰った時には彼は席を外してどこかにふらりと行ってしまう。残った人間とドンさんの息子のトニ―さんとで雑談していると、30分近くたった後戻ってきて、「お前はまだそこにいたのか?」と目をむいて言われて、ドキッとしたことを覚えている。でもそのあと実にお茶目な笑顔でニコッと笑うドンさんはホントに素敵な人だった。





ミーティングの後、ビバリーヒルズで中華をご馳走してもらったことがあった。ミーティングの最中にどうも白人の事をよく言わないドンさんが、今のカミさんだと言って連れてきた奥さんはバリバリのブロンドの白人で、ロシア人だった。「なんや、このオッサン話が違うやんけ」と思ったけれど、男女の仲は別だったのだろう。その後凄い慰謝料を払ったとか聞いたけれど、そんなことも今回の原因になっているのだろうか。その食事の時に隣のテーブルのドレッドヘアのごつい黒人の兄ちゃんがこっちにヨタヨタと歩いてきて、ドンさんに挨拶をしてハグをしている。それがスティービーワンダーだと気付いて僕はその場に気絶しそうになったものだ。




ドンさんはスティービーワンダーなどはそれこそ10代のころから知っているし、マイケルジャクソンなどはまさにデビュー前から知っているというような感じだと思う。クインシ―ジョーンズが今回の事でコメントをしているが、おそらくブラックミュージック界の、つまりJazzやブルースではなく黒人のポップスの世界でのゴッドファーザーだったといっても間違いはないだろうと思う。




そして、生粋のテレビマンだった。ソウルトレインはアメリカでも初だといわれるシンジケーションビジネスを確立した番組だった。つまりネットワークのテレビ局が製作した番組ではなく、独立プロダクションが独自に企画立案し製作して全米に放送していた番組なわけだ。当然僕が高校生の頃日本でこの番組を見ていたように、全世界でこの番組は放送されていた。ドンさんはこのソウルトレインの生みの親である、企画者であり、プロデューサーであり、司会者だった。



日本でのDVD化はいろいろあって残念ながら実現しなかったのだが、ドンさんに是非彼のバイオグラフィとショービジネス界の裏話などをインタヴューして、本にしたいという話をしていた。そんな僕の夢が今回の事で未来永劫かなわぬ夢となった。

心から、ご冥福をお祈りします。



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posted by すしボーイ at 14:59| 東京 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | テレビ番組 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
初めておじゃまします。ドン・コ―ネリアスの訃報を聞いて悲しみにくれていました。ネットでニュース検索をしていてこのブログに行きあたり、読み進むうちに引き込まれました。ドン・コ―ネリアスに直接お会いになった方のお話、愛にあふれています。書いて頂いて有難うございました。
Posted by magicyoko at 2012年02月04日 02:47
magicyokoさま

コメントありがとうございました。
本当に残念ですね。
Posted by すしボーイ at 2012年02月04日 10:51
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