2013年04月23日

「親愛なるNへ」1970年代の小生意気な小僧達の一人

大事な友人の一人が昨日、死んだ。人は突然目の前からいなくなるのだという事を現実として体験している。昨日まで普通に話をしていた友人が今日はどこに電話をしようがフェイスブックにメッセージを入れようが、返事は帰ってこない。彼と初めて会ったのはお互いに中学生の時。確か卓球部にいたのではなかったか。そして高校ではフェンシングを始めた。腕の長さが半端じゃないという事で、そのリーチを生かしインターハイなどにも出るような選手になっていた。ちょうどそのころ、彼は今の奥さんとも出会っている。


大学に入って僕らはスキーやテニスの企画をしてツアーを主催していた。冬は志賀高原や斑尾、夏は軽井沢にバスを仕立てて旅行代理店のようなことをしていた。その団体の名前は「スカイビースポーツクラブ」と言った。京都を中心とした関西のかなり有名なバリバリのサーファー達も冬に参加するスキーツアーとしても有名だった。大学を卒業してお互いに就職をして京都と東京に別れてからはあんまり会う機会がなかった。ところが、僕が会社を辞める事になってから頻繁に逢うことになっていた。特にこの2年間はある事業の目的があって、定期的に京都と東京でミーティングを重ねていた。


一級建築士の彼はこれから歳を重ねていくにあたって、設計は若い人に任せて自分はその周りのいろいろな自分が好きな事をやっていきたいと思っていて、僕の提案と彼の思いが一致して、その道のプロのやはり同級生で一緒にそのスキーツアーを主催していたYに助けてもらいながらそれを実現する道を探っていた。そして、先週その打ち合わせで2人は京都から東京に来てくれていた。その話がまた少し前に進み始めた矢先に彼の奥さんから電話が来た。ちょうど一週間前の日曜日の事である。



クモ膜下で倒れたという事だった。人の寿命が決まっているなら神様教えてもらえないでしょうか。泥棒やら人殺しやらテロリストや変質者やその他大勢もっと先に死んでもいい人たちがいるのではないでしょうか神様。なぜ今、なぜ今回、彼だったのでしょうか。幸い2人の子供たちはもう働き始めているらしいから、まだ救われるんだけれども、彼の奥さんの事を思うと胸が痛い。高校の頃からずっと一緒でよくケンカもしていただろうけれども本当に仲のいい二人で。最近まで彼女が東京で働いていたことも、彼の優しさが表れているようで、「普通やったら離婚やで!」という僕とYの言葉をいつもニコニコしながら受け流して聞いていた彼。本当に奥さんの事が大好きだったのがよくわかった。



去年だったか、FM京都のラジオ番組に出演して素晴らしい喋りを見せた彼が、どういうわけかそのあとのイベントでの喋りが途中で止まらなくなって、ゲストに喋ってもらわなきゃいけないのに、自分だけが勝手に喋り捲って、喋り捲って、思わず「N、しゃべりすぎや!」と本番中に僕が注意をする羽目になった事。そんなこともいま思うと、あと人生の残りの日々が少ない事を自分のどこかで感じていて、それで説明しても説明しきれずにあんなことになってしまったのかもしれないと思ったりする。それならもっとしゃべらせてあげればよかったかとも思う。



これから20年ほどさらに面白い仕事を続けていくために、いろいろ準備をしていた彼。そして大幅に予算を超えた新しい事務所が完成したばかりだったのに。家族思いの優しい彼がなぜこんなに突然死んでしまわなければならないのか。生きていく事は確かに楽しい事ばかりではない。辛いし、悲しい事も多い。それでも生きてさえいれば美味しいものも食べれるし、旨い酒も飲めるし、面白い映画も観れるし、それこそもっといい事がいっぱいあったろうに。まだ彼は56歳に先月なったばかりです神様。何とかなりませんか神様。確かに人の言う事を全く聞かない頑固な男になっていた彼。優しい性格はそのままだったけれど、人の意見を聞くふりをしてはいるけれども、自分の意見がしっかりあって、人の意見に左右されることはなかった彼。



実は若い頃もそうだったのかもしれない。柔らかな言葉にこちらが安心しているうちに実は彼の思いどおりになっている事が多かったのかもしれない。そんなしたたかさも持っていた彼。物事はすべて永遠ではない事はよく知ってはいるけれども、そんなに早くなくても良かったんじゃあないの、と彼に聞いてみたい。だけど、いつものようにニコニコしながら人の話を聞いておいて、やっぱり自分の思うとおりにするんだろうな。死ぬってことはどういう事なんだろうな。あの世というものがあって、この世のように笑ったり怒ったりできる世界があればよいとおもう。いつか僕もそこに行くけれども、その時はいったい今回の事はどういうことか彼に問い詰めてみたい。但し絶対にすぐにはいかないからな。この世で苦しんで、苦しみぬいて、そしておまえの分もめ一杯楽しんで、最後には笑いながらそっちに行くからな。でも、まあ、あと30年は待ってろよ・・・。ざまあみやがれ・・・。おっちょこちょいが・・・。酷えじゃねえか、バカヤロめ・・・。


悲しいけれどもこの曲を捧げます・・・。
posted by すしボーイ at 09:40| 東京 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
久し振りのブログが悲しい話でこちらまで切ない気持になりましたが、何時ものすしボーイさんの文章のキレとは違えど、お気持ちが痛いほどわかる文体で最後まで読ませて頂きました。

小生GW開けまで休みがありませんので、もしそれまでの間に顔出せる時は寄って下さい。呑みましょう。
Posted by taka at 2013年04月23日 14:04
takaさま

コメントありがとうございます。
まったく、世は非情であります。
神も仏もあったものではありません。

是非顔出しますね。

ではでは。
Posted by すしボーイ at 2013年04月23日 22:31
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